今日は NEM のブロックチェーン上に独自トークンを発行する方法について解説していきます。
NEM における独自トークンとは?
ざっくりで説明します。
NEM ブロックチェーンは他のブロックチェーンと仕組みが異なっており、ブロックチェーン自体に独自のトークンを発行する機能が存在しています。
トークンにはルールが存在していて、ネームスペースの下に複数のモザイクが紐づくような形となっています。
実は暗号通貨 XEM も同じような関係となっていて、以下の表のような関係性を持っています。
ネームスペース | nem |
---|---|
モザイク | xem |
CRYPTOSTREAMさんの以下の記事が非常に分かりやすく書かれていたので、概要についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→ NEMのネームスペースとモザイクって何なのか?
独自トークンを発行しよう
Nano Wallet をインストールする
独自トークンの発行は NEMのウォレットである「Nano Wallet」から行うことが可能です。
まずは公式サイトから「Nano Wallet」をインストールしましょう!
→ 公式サイト
アカウントを作成する
Nano Wallet のインストールが完了したら、まずは XEM を所持するアカウントを作成していきます。
画面右上の「SIGN UP」をクリック
ウォレットの種類を選択
基本的には左側の「Simple wallet」を選択で大丈夫です。
既に他環境でアカウントを発行済みで、秘密鍵を持っている場合は右側の「Private key wallet」を選択し、ウォレットを作成してください。
今回は「Simple wallet」を作成していきます。
ネットワークの選択
「Mainnet」「Testnet」「Mijin」の中から使用するネットワークを選択します。
今回は Testnet 上でモザイクの発行を行っていくので、「Testnet」を選択してください。
ウォレット名を入力
管理用のウォレット名を入力します。
自分の好きな名前で大丈夫です。
パスワードを入力
ウォレットをアンロックするためのパスワードを入力します。
送金などの色々なアクションを行う際に必要になりますので、忘れないようにしてください。
秘密鍵を生成する
秘密鍵を生成します。
ウォレット画面上でマウスを適当に動かすことで乱数が生成されます。
バックアップデータを保存する
ウォレットデータのバックアップを行うように指示されるので、指示通りダウンロードしておいてください。
これはウォレットの復元や他のウォレットへの移行を行う際などに利用されます。
このデータが他人に入手されてしまうと、他人が自分の資産を操れるようになってしまいますので、他人へ絶対に中身がバレないように注意をしてください。
秘密鍵の確認
生成された秘密鍵を確認することができます。
こちらも他人へバレてしまうと、資産がコントロールされてしまいますので、必ずバレない状態で保存しておくようにしてください。
また、この後でもパスワードを入力することで秘密鍵を確認することは可能ですので、無理にここで保存しなくても大丈夫です。
アドレスの確認
最後に生成されたアドレスが表示されます。
こちらはトークンを受け取る際に必要となりますので、保存しておくようにしてください。
以上でアカウントの作成は完了です。
アカウントへログインする
アカウントの作成が完了したので、続いてログインを行います。
アカウントが無事作成されていればログインができるはずです。
ログイン後、ダッシュボード画面へ遷移します。
Testnet の XEM を受け取る
NEM の Forum で XEM を受け取ることができるので、こちらにアドレスを投稿して XEM を受け取ってください。
→ Paste you address here for beta NEM (Testnet XEM)
ネームスペースの作成
アカウントへ XEM が入金されたら、ネームスペースを作成していきます。
ヘッダーの「Services」からサービス一覧画面へ遷移し、左上の「Create Namespace」をクリックします。
ネームスペース作成画面で、ネームスペース名を「Namespace」へ入力し、「Password」を入力することでネームスペースを作成できます。
また、ネームスペースは階層構造を用いることが可能で、次回以降は「Parent Namespace」を選択することで、サブネームスペースの作成ができるようになります。
このサブネームスペース作成機能によって、より多くの種類のモザイクを発行することができるのです。
ネームスペースの作成が完了すると、ダッシュボード画面の「Unconfirmed」へ発行トランザクションが追加されます。
このトランザクションのマイニングが完了すると、ネームスペースが使えるようになります。
なお、モザイクの発行も同様に作成が完了するとトランザクションが発行され、このトランザクションがマイニングされることでモザイクを使うことができるようになります。
モザイクの発行
続いてモザイクの発行を行っていきます。
モザイクもネームスペースと同様にヘッダーの「Services」画面の「Create Mosaic」から作成を行っていきます。
モザイク作成画面では様々なプロパティを設定することが可能です。
Parent Namespace | 付随するネームスペースを選択する |
---|---|
Mosaic Name | モザイクの名前を入力する |
Description | モザイクの説明を入力する |
Initial supply | モザイクの初期供給量を設定する(最大90億枚) |
Divisibility | 小数点以下の桁数を設定する(6桁まで) |
Transferable | チェックを入れると誰でも自由に送受信が可能に チェックを外すと発行者とのやり取りだけに制限される |
Mutable supply | チェックを入れると発行後に供給量を変更することが可能に チェックを外すと発行後に供給量を変更することができなくなる |
Requires levy | チェックを入れるとモザイク送金時に手数料を要求し、発行者へ手数料(XEM)が送金されるようになる チェックを外すとモザイク送金時にかかる手数料はNEMへ支払う金額のみとなる |
モザイクを送金する
最後にモザイクの送金を行ってみましょう。
ヘッダーの「Send」から送金画面へ遷移します。
送金画面で「Mosaic transfer」へチェックを入れると、画面右側に送金するモザイクを選択する画面が表示されるようになります。
「Currency」で送金するモザイクを選択し、「Amount」へ送金額を入力します。
「Password」を入力後、「Send」ボタンを押すことでモザイクの送金を行うことができます。
この際、トランザクションフィーとして一定額の XEM がかかることになります。
受信側のウォレットへトランザクションが追加されれば、モザイクの送金は完了です。
トランザクションの詳細を見てみると、モザイクが送金されていることが分かるはずです。
以上でモザイク発行から送金までの処理は完了します。
NEM はプロトコルにトークン発行機能が埋め込まれているため、Ethereum(ERC20)のように自分でコントラクトを開発することなくウォレット上で簡単にトークンを発行することができます。
Ethereum のように複雑なコントラクトを作成することはできませんが、ただトークンを発行し運用するだけであれば NEM のブロックチェーンを使うのが一番有効なはずです。
次回は今回紹介した内容をプログラミングする方法について解説しようと思います。